選挙というもの。


この選挙期間、各党の政策と討論番組を一通り見た。
アベノミクスを全否定し、自民党には任せられないというのがうんざりするほど伝わってくる。
無理くり叩いても、安倍首相の街頭演説に集まったひとの数、あれが民意だと思う。
自民党ありきの存在意義。野党はそんな印象。

共産党だけは、ホクホク顔で消費税増税の中止を言っていて独特の雰囲気がある。
政党で唯一、資本主義の先を目指していることもあって、反自民票や浮動票が流れていくのも理解できる。

ただ、資本主義の枠内で民主連合政府を目指しているならば、なぜ共産党の党名を変えて、左派の野党を一つにしてイギリスような労働党にしないのか。
二大政党ができれば、投票率も上がる。
雨後のタケノコように野党がどんどん湧いてくるから、国会でも討論番組でも議論が深まらない。

日本共産党は、生産手段の社会化、共産主義の実現、日本国の共和国制を展望している。
共産化で王制廃止したネパールや、国体が変わろうとしているタイやブータンを見てると、ワケもわからず共産党に入れてしまうのはちょっと疑問だ。

軽減税率というのも、なんだか利権臭い。しかも公明党は8%は据え置きと言っている。
読売新聞もやたらそれを煽っている。

今回は、入れるとことがなくて、本当に悩んでる。
ネガティブキャンペーンにしても、皮肉がきいていたり、ウィットに富んで楽しめるなら別だが、そういうわけでもない。
「暴走する安倍政権を許さない」と言いながら、「なぜ今解散選挙なのか?」と矛盾してる野党。
集団的自衛権、秘密保護法は民主主義の崩壊だとか言ってたけど、選挙に大義がないっていってるのも同じこと。主権者は国民で、国会議員は国民の代理人にすぎない。

震災以降、主張が極端になってるように感じる。
とにかく、怒りの矛先を見つけようとしている。
情報がデジタル化されて、簡単にレッテルが貼られるようになったからだと思う。
自分とまるで考えが違う人でも、その人の本を読んだり、話を聞いたり、アナログ的な情報収集をしたときは、少しは共感できるところも見つかるのに。

そもそも、円安って悪いことなのか。円安でホントに国力が下がるの?
輸入価格が上昇して、外国産よりもお買い得になれば、国産にとっては追い風になるし、地産地消でみんなが国産を買えば、内需が刺激されて、地域の所得も増える。
簡単には国内回帰というわけにはいかないけど、肉や野菜なんかは、消費者の意向次第。
円が80円だったときは、中国産ばかりで、会社も外国に行ってしまった。
その分、物価は安かったけど。
為替のポジション持ってる人にとっては、円安だと文句言いたくなるのかもしれないが、
利害関係の対立を調節することが政治、政策なんだから、結局は損得の話。
肉屋に、自動車屋の視点で考えてくれと言っても無理な話。
どんなに気に入らなくても、多数決が利害の先の結論なら、それを尊重するのが民主主義というものだ。
白票をいれたり、投票に行かないなんてことはしない。大義がないとは思わない。
乱れた政権を立て直すための自民党の党利党略解散だと思ったら、その是非も含めて投票する。

別に自分は支持政党もないし、右とか左とかじゃなくて、アンジェイワイダ監督の映画や、香港の自治問題を見てたら、純粋に選挙があることは素晴らしい思った。

自分のたった一票なんか意味ないかもしれないけど、自分自身に与える意味はある。