イスラム国について思うこと

まあ、いろいろ思うことがあって、
表現の自由とかも言われているけど、
例えば、
イギリスのモンティパイソンはギャグで、既成概念というものを解体していて、
価値あるものをナンセンスだと否定することで、一つのギャグは、宗教、権力、憲法とも対等になって、頭の固い盲目的に信じている人たちを笑った。
戯画っていうのは、意味や価値を見出してはいけないってこと。
あくまで笑いは、恐怖や不安に対しての緩衝材。

仏、シャルリーエブド社の戯画によるイスラム過激派組織によるテロ事件があり、表現の自由についてあれこれ言われている中、表現の自由を訴える日本人の主張というのは野卑滑稽というか、なんというか、、

己の表現に対して抗議を受け取めることは表現者の責務。
間違ってると思ったら謝ればいい。

日本人とフランスとでは、リベラルの中身が全然違うんだなと思った。

イスラム過激派組織が、日本人2人殺害を予告した。
ことの発端は、中東訪問中に安倍首相が行った、対イスラム国への2億ドルの支援。
これは欧米軍事活動に対するものではなく、経済支援、難民支援等の人道支援のためのものではあるが、イスラム国は意識して誤解をしているのか、誤解をしているのか、日本を十字軍とみなした。

イスラム国が公開した1分40秒のビデオメッセージ。
「日本政府と日本国民へのメッセージ」と題し、

「日本の首相よ。日本政府はイスラム国に対する戦いに2億ドル支払うという愚かな決断をした」
と日本の対応を批判、その上で、

「この2人を救うために2億ドルの身代金を支払う賢い選択を政府にさせるよう、日本国民が政府に圧力をかける猶予は72時間だ

と警告した。

この動画を見てまず思ったのは、
ISISは日本国民の世論をみているということ。
確実に日本社会が情報に脆弱かを見越しているってことなんだよな。

しかもネットではISISの期待に応えるように安倍首相の批判が始まるし、
日経新聞の昨年9月の記事を引っ張り出してきて安倍批判をする人もいて、なんの疑いもなくそれに賛同をし辞任を求める人たちが多いこと。
これじゃまるで、国連安保理の議長声明に同調した安倍政権のテロに屈しない姿勢が悪くて、テロリストに迎合する風潮が当然の反応であるかのように勘違いされかねない。
人の命を盾にとって、脅迫することなんか悪いって子供でもわかること。
安倍さんが長期政権を築きつつあるのは、こういう穢い主張をしている人たちがいるからなんだろうなってつくづく思う。
テロリストの理解を得ようなんて考えることは全くもってナンセンス。
ISISは日本国民の世論を見ている。

イスラム過激派組織「ISIS」が日本人2人の殺害を予告した期限まで、あと数時間に迫っている。

ボクは、ここまでの日本政府の対応は間違っていないと思う。
各国に協力を要請し、情報をあつめている。
イスラム国にパイプのある中田考さんに協力を求めるべきという声もあるが、彼はイスラム国のスパイかもしれないし、中田さんの言う2億ドルをイスラム国の難民支援に支払うっていうアイディアがまかり通るなら、そもそも彼のパイプなんか必要ないんじゃないのって思う。本質的には要求に従うと同じことなんだから。
仮に彼らのパイプを使って失敗したらどうするのか?
それよりも、ヨルダンやトルコのように現実的な情報を把握している国々に協力を要請する方が賢明だと思う。
各国が日本に協力してくれるのは本当にありがたい。
ベストにこだわりワーストの結果を残すくらいなら、よりベターな選択をするべきだよ。
まあ、しかし、なにをどう決断しても待っているのはいばらの道に違いないけど。

自己責任について、
お笑い芸人もアーティストも、ジャーナリストも自分の意思で信念を持って行動することができる。
自由だからだ。
自分に信じた道が不幸になっても、その責任は自身にあるのは当然のこと。
でも責任があるって実は幸せなこと。
もし仮に、責任は問わない、何があっても国が面倒をみるということなら、個人の自由なんて認められないだろうし、個人の意思を無視することになる。
だからと言って命を見捨てていい訳ない。
自己責任であっても遭難した人、危険地帯に飛び込んだ人も平等に、全力で救助にあたるのは国の義務。

イスラエルに行ったことがテロを誘発したといわれているが、安倍さんはパレスチナにも行き、アッバス議長とも会談している。


つまり、ガザ地区などにも支援を行っている。ヨルダン関しては昨年も同様に行っている。こういうことをどうして報道しないんだろうかって本当に思う。 
日本の外交はイスラム社会には支持されていると思うよ。

もし、人質解放に一縷の望みがあるとすれば、イスラム社会からの声がISISに届くことで、この誤解を解くことしかないわな。

しかし、テロリストに屈してまで、人命救助はできない。
他の日本国民に危険が及び、国民の自由が損なわれかねないからだ。

1977年、日航機ハイジャック事件で、「人命は地球より重い」といって、日本赤軍の要求を飲んだことがあった。
その1ヶ月半後に、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致された。それから次々と拉致されその人数は400人を超えている。
しかも、日本人をさらっていく北の工作員がわかっていながら、救出する法律がないため見過ごすことしかできなかった。

今回の人質事件も間違いなく北朝鮮は見ている。

ホント、人質事件を利用して執拗なまでに安倍批判をしてる人は、その執念を拉致事件の方にも回してほしいもんだよ。
イスラム国に拘束されている人も、北に拉致された横田めぐみさんたちも同じ人質のはず。
安倍政権拉致事件に取り組めば支持率回復のためだと言われ、今回の事件では人権無視のような言われようをされている。
普通に、どっちの事件も同じように全力で対応してるんじゃないかって思うよ。
政権批判をするのはあとでいい。

しかし、疑問に思うのは、動画配信後、2億ドルを要求をしておきながらイスラム国が日本にたいしてアクションをしてこないことなんだよね。
金が欲しければ、向こうから当然の連絡手段は何かしらあって然るべきなんだが。日本政府がイスラム国と連絡がとれているのを公表していないか、もしくはその逆か。日本国民の世論を注視しているのか。
もし、向こうは金目当てではないのだとしたら。
向こうが日本人を殺すことで得られるメリットは、なんだろう。士気を鼓舞するためのプロパガンダ的なことくらいしか思いつかない。
プロパガンダが目的ならボクは交渉の余地はあると思う。

日本人は宗教に対して排他的な思いは持ってないし、誰かが神聖なものと思っているなら、それを大切にできる。日本人を殺すことは虚しい。そう思って人質解放してくれることを願うばかりだ。

今回の事件に限らず、テロとの戦いは長く続く。
無関心無感動では、今がどれだけ幸福でもいつか自身の将来を見失うことになりかねない。